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「原大介展 ~存在の底流を抉り出す~
ダイナミックなタッチで自らのパッションをキャンバスに刻みつける画家・原大介 (1948年兵庫県生まれ、武蔵野美術大学卒業) の個展が椿近代画廊で開催される。
美術評論家の谷川晃一をして「有機的抽象」と言わしめた原の絵画。 力動をそのまま表現したかのような激しいストロークはプリミティブな魅力にあふれており、欲動や無意識など人間存在の根底に眠る「ディオニュソス的なもの」を直截的に表現している。
2018年からは、〝線"というテーマで新たな表現にも挑戦。時に激しく、時に繊細なその筆致から、形式と内容、瞬間と永遠などさまざまな要素がキャンバ スの上でぶつかり合い、新 たな形式が生まれては絵具の中に飲み込まれていく。
形式にとらわれることなく絶えず脱皮を繰り返す原。 その融通無碍な生き方そのものに自らの思想が滲み出 ているのかもしれない。
★11月8日(月) ~ 20日(土) 椿近代画廊 (東京都中央区日本橋室町1−12−15)
記事を新美術新聞2021年11月1日版より転載しました。